長全寺は天正3年4月25日、松戸市広徳寺5世、巧室梵藝大和尚を勧請し、曹洞宗寺院として開山しました。その後15世紀以来この地域で勢力を張っていた戸張氏の菩提寺として栄え、寛永年間頃に戸張村の香取神社近くから現在地へ移転しました。明治25年、火災によって焼失した柏小学校を同寺へ移設した他、大正13年から14年の約1年間、東葛中学校(現東葛高校)の教場として当寺本堂を提供するなど、柏市の教育へも積極的に貢献し、今も地域と共にその歴史を刻んでいます。
御本尊様は釈迦如来像、両脇侍は普賢菩薩像、文殊菩薩像。この他、当寺鎮守金毘羅大権現、大日如来等の堂宇が境内に数多く有りますが、中でも四国霊場と同胎の弘法大師像を安置した堂宇が特徴的です。弘法大師が祀られる堂宇は境内に2つ有り、四国88ヶ所霊場に由来する東葛印旛送り大師講の1番、60番札所として知られています。 昭和31年に金毘羅宮落成遷宮式、昭和41年に本堂を竣工し、昭和43年に平和観音開眼、同年2月20日寺格を格地へ昇等、昭和49年に山門(仁王像・四天王像)を落慶しました。
先代住職である当寺第33世中興・武田泰法師は、平成6年に長全寺檀信徒会館「飛雲閣」を落慶。その報恩行として当時の大雄山最乗寺山主、余語翠巌老師を戒師様としてお迎えし「庫院檀信徒会館落慶記念報恩大授戒会」を厳修致しました。しかし、多くの功績を遺したその先代住職も平成19年1月に遷化し、翌年の平成20年3月8日に現住職である武田泰道師が晋山結制法要を厳修、第34世として当寺に晋山しました。
平成23年の東日本大震災の際、強い揺れに見舞われた当寺は、本堂を始めとする多くの伽藍に多大なる被害を受けましたが、多くの檀信徒の協力を得て短期間で伽藍復旧を果たし、翌平成24年には「復興への願いを込めて、南無大師遍照金剛」のスローガンの下、東葛印旛送り大師巡拝並びに大結願法要を多くの参詣者と共に厳修しました。
現住職の「地域の皆様に広く門戸を開いて多くの方々に仏様とのご縁を結んで戴きたい」との想いを具現化するべく、丁寧な仏事回向は勿論の事、夏季坐禅会、書道教室、長全寺門前市等を定期開催すると共に、長全寺会館に於いて社会福祉支援活動等の催事を随時開催し、檀信徒のみならず地域の方々と想いを共にする開かれた寺院として現在に至ります。
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